結局、スマホは本当に悪影響なのか?『スマホ脳』を読んだ感想。

スマホ脳を読んだ感想

スマホでの時間の使い方に危機感を感じ、アンデシュ・ハンセンさんの『スマホ脳』を読んでみました。

現代人の必需品、スマホ。

「夜、ベッドに入ってスマホでYouTubeを開き、ショート動画を見てたら1時間経ってた…。」

なんて経験してる人は僕だけじゃないはず。

  • スマホに時間を使いすぎてるんじゃないのか?
  • 身体に何か影響はあるんだろうか?
  • どうすればスマホとうまく付き合っていけるのか?

という疑問を持って、学びを深めるためにスマホ関係の本を購入することを決意。

日進月歩でテクノロジーが進歩している現代、なるべく新しい本『スマホ脳』にたどり着きました。

読み終えてみて「スマホを持つ上で、一度は読むことをおススメしたい本」という印象です。

この記事では、僕がこの本を読んで重要だと思った点と感想をまとめましたので、ぜひ最後までお付き合いください。

目次

『スマホ脳』のあらすじ

平均で一日四時間、若者の二割は七時間も使うスマホ。だがスティーブ・ジョブズを筆頭に、IT業界のトップはわが子にデジタル・デバイスを与えないという。なぜか?睡眠障害、うつ、記憶力や集中力、学力の低下、依存―最新研究が明らかにするのはスマホの便利さに溺れているうちにあなたの脳が確実に蝕まれていく現実だ。教育大国スウェーデンを震撼させ、社会現象となった世界的ベストセラーがついに日本上陸。

『スマホ脳』で重要だと感じたポイント

人間の脳はデジタル社会に順応していない

今あなたが手にしている本は人間の脳はデジタル社会に適応していないという内容だ。

『スマホ脳』 p7

デジタル社会の発展により短い期間で環境が大きく変化して、人間の進化とミスマッチが発生しています。

特にドーパミンについての記述が印象的でした。

人間のやる気を促すホルモン「ドーパミン」は、「~かもしれない」などの結果が不確かな出来事に出やすいホルモン

これは生き延びるために周辺の不確実な情報を収集するために進化したものですが、現代ではギャンブルやSNSの通知に応用されてしまっています。

SNSなどの企業は、アプリ内の広告を長時間見てもらう為、これらの人間の本能の部分をうまく使って自社アプリの利用時間を伸ばそうとしている。

このことを念頭に置いてスマホを使うことは大切だと思いました。

マルチタスクは集中力を削ぐ

得意分野のマルチタスクですら、マルチタスク派は成績が悪かった。

『スマホ脳』 p88

マルチタスク派とシングルタスク派に集中力について様々なテストを行ったところ、シングルタスク派の方がいい結果がでたとのこと。

同じようにマルチタスクについて様々なテストを行っても、シングルタスク派の方がいい結果が出たようです。

日常的なマルチタスクはシングルタスクの処理能力の低下を招きかねないということですね。

僕もSNSと適度な距離を取り、マインドフルネス等を活用してシングルタスクで動けるように訓練してみようと思います。

ただ、多くの人が働く中でマルチタスクを求められる現代、なかなかシングルタスクで行動するのも難しいよなぁと感じます。

実際今このブログを書きながら別のタブでTwitterをチェックし、スマホでLINEを返している辺り、マルチタスクが染みついていることに気付きました。笑

スマホが及ぼす最大の影響は「時間を奪うこと」

スマホが及ぼす最大の影響はむしろ「時間を奪うこと」で、うつから身を守るための運動や人づき合い、睡眠を十分にとる時間がなくなることかもしれない。

『スマホ脳』 p117

まさに僕が抱えていた悩みです。

本来なら睡眠に充てられていたはずの時間を、そんなに興味のない動画やツイートに使ってしまう。

ちょっと言い方が悪いかもしれませんが、様々な企業が大変な労力をかけて、僕の時間を奪う努力をしています。

『スマホ脳』は全体を通して、

「スマホは自分が楽しむために使うのであれば全然おっけー。でもアプリやサービスに時間を使わせられないようにすることが大切。」

ということを感じさせてくれました。

スマホとの付き合い方

私たちの祖先がそんなふうに暮らしていたからと言って、それが必然的によいという意味ではない。

『スマホ脳』 p242

スマホに限らずですが、新しいテクノロジーに対して、

「危険だからなるべく使わない方がいい!」

ではなく、自分に合わせた形でスマホなどのテクノロジーと付き合っていくことが大切。

スマホのおかげで必要な情報をすぐに調べられる世の中になったのは間違いない事実ですし、僕も重宝しています。

ただ、なにかを調べた時に関係のないネットニュースのタイトルなどを不用心にクリックしないように心がけたいですね。

『スマホ脳』では最終章でスマホを使う上での20個ほどのアドバイスを状況別にまとめてくれています。

その中でも僕がすぐに実践したのが下記の4つです。

  • スマホのスクリーンタイムを見て、なるべく2時間以上は使用しないようにする
  • スマホの表示をモノクロに変える
  • こどものよい手本になるような使い方を心掛ける
  • 少しの時間でも運動する

【スマホのスクリーンタイムを見て、なるべく2時間以上は使用しないようにする】

スマホをどのくらい使っているのか?を知ることができるスクリーンタイム。

以前は確認にアプリが必要でしたが、現在はスマホに標準機能として搭載されてます

『スマホ論』では2時間以下の使用にすることを推奨していますが、結構難しいです。

気になった人は自分のスマホのスクリーンタイムを確認してみて下さい。

結構な時間、スマホを使っていることに気付けると思います。

【スマホの表示をモノクロに変える】

ディスプレイをモノクロにするとドーパミンの放出量やスクロール量が少なくなる。

『スマホ論』を読むまで知らなかった情報で、目からうろこな情報でした。

iPhoneの場合は”設定”から、Androidは”開発者向けオプション”からそれぞれ変更可能。

ぜひ一度試してみてください。

【こどものよいお手本となるような使い方を心掛ける】

11歳ごろにはほぼ全員がインターネットに触れる機会がある現代社会。

大人はアウトメディアについてだけでなく、インターネットなどとの付き合い方も教えていかなければなりません。

自分のこどもだけでなく、かかわるこどものお手本となるような使い方を心掛けていこうと思います。

【少しでも運動する】

1日6分だけの運動でも毎日行うと効果があるとのこと。

子供と一緒に楽しめそうな運動を探してやってみようと思います。

結局、スマホは身体に悪影響を与えるのか?

結論、わからない

スマホやSNSなどに関する研究結果がでており、うつや不眠などに関連があると考えられています。

ただ、この本によると、研究報告はデータを集めてから報告に至るまで4~5年かかるとのこと。

なので『スマホ論』についても4~5年前の研究データに基づいて論じられています。

テクノロジーの進化のスピードにリスクの研究が追い付いていないのが現状であり、今後もこの状況が続くと考えると、現在のスマホに明確にどんなリスクがあるのかは断言できないようです。

寝ている時間以外、ほぼ常に携帯しているもののリスクが明確にわからないっていうの、ストレートに怖いなぁと感じました。

『スマホ脳』の感想

“スマホのリスク”に関する本は1冊持っておけばOK

“スマホのリスク”について書かれている本を何冊か読みましたが、最終的な結論やスマホのリスクの内容はほぼ一緒です。

なので、1冊所有してれば他の本が気になった時も図書館などでレンタルでもいいような気がします。

ただスマホの怖いところが、普段から身近にあるせいなのか、リスクに対する危機意識が薄くなってくることです。

以前スマホのリスクに関する本を読んだ時も、ベッドにスマホを持ち込むのをやめたはずだったのに、1~2年たった現在、またスマホを持ち込んでいる自分がいました。

スマホのリスクを忘れないために、スマホに関する本を1冊は手元に置き、定期的に読み返してリスクを頭の中に入れておくようにすることをおススメします。

今回読んだ『スマホ脳』は、

  • 人間がなぜデジタルに順応できないのかを具体的に解説している
  • 巻末に具体的なアドバイスがまとめられている
  • 新品でも1,078円と安価

というところなので、持っておくのにいい1冊だと思いました。

コラムの位置をもう少し考えてほしかった…

文章の流れの途中でコラムが入っていて、読みにくかったです。

なんであの位置にコラムを入れたのか?不思議な感じがしました。

それ以外については翻訳も読みやすかったですし、ボリューム感もちょうどよかったと思います。

自分の時間の使い方をしっかり持つことは大切

電子マネーやポイントカード、定期券がスマホで完結する現代社会で、スマホは生活必需品となっています。

スマホの危険性を把握した上で自分の道具として使いこなすのか?

はたまた自分の意図しない時間の使い方をスマホにさせられてしまうのか?

後者にならないためにも、“自分がどうスマホと向き合うのか?”ということに自分なりの答えを持っておくことが大事だと『スマホ論』を読んでいて思いました。

スマホとともに生きていく今後の参考になる一冊なので、まだ読んでいない人はぜひ読んでみてください。

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