4/4、yukkeromで出演した「自利利他 第二幕」の全バンドレポを書いていこうと思う。
まず最初に言っておく。
とんでもない夜だった。
ライブが終わった後も、ずっと余韻が残っている。
なんならこれを書いている今もまだ残っている。
たぶん、しばらく、この余韻で普通に生活できるレベル。
音楽の力、恐るべし。
ちなみに当日、私はやらかしている。
用事を済ませて車で札幌入りし、駐車場に車を停め、
「さぁ会場に向かうぞ」と意気込んでGoogleMapを開いたところ、まさかの駐車場ミス。
場所を完全に間違えていたのである。
結果、予定より15分遅れで到着。
ただしリハには間に合った。
ここは自分を褒めたい。ギリギリセーフである。
最近こういううっかりミスが増えている気がするなぁ。
歳のせいなのか、単純に注意力が落ちているのか…。
いずれにせよ気をつけたいところである。というか気をつける。
さて、本題に入る。
今回のイベントは、きくちわかなさん企画「自利利他」。
音数多め、思想強めという某山岡屋のオーダー感を感じるコンセプトである。
そして、そのオーダー通りの濃さが、フロアにぎっしり詰まっていたライブであった。
では順番に振り返っていく。

1.Konsui
札幌メタルコアバンド、Konsui。今回初見である。
第一印象は「しっかり重い」。
ただし単なるゴリ押しではなく、様々なメタルの要素を消化した上でのメタルコアという感じで、音に説得力がある。
一発目というポジションは、空気を作るという意味で非常に難しい。
だがKonsuiはそこをしっかりやり切っていた。
フロアの温度がじわじわと上がっていくのが体感で分かる。
このイベント、やばくなるなぁ、と思わせるには十分すぎるスタートであった。
ついでにボーカルのミツハシ君はサークルの後輩だったということが途中で判明。
こういう偶然のつながりが面白い。
2.VOMIT OUT RESTRICTION
札幌メタルコアシーンの中心、VOMIT OUT RESTRICTION。
とにかく完成度が高い。
演奏、構成、ステージング、どれを取っても隙がない。
特にベース。
超絶技巧という言葉で片付けるのは簡単だが、彼の場合はそれをちゃんと“見せる技術”として成立させているのがすごい。
ライブで観るとより際立つ。
ただし自分個人としては問題がある。
自分の出番前にこれを観ると、普通にメンタルが揺れる。
「この後、自分か…」というプレッシャー。
嬉しさと恐怖が同時に来る、あの独特の感覚である。
正直しんどい。だが、それがいい。
新曲も相変わらず“激やば”である。
4/29苫小牧でもぜひ聴きたいところだ。
3.yukkerom
今回、私は3番手。
普段のスタイルは「お客さんを始発ホームに置き去りにして、自分だけ終点まで走り抜ける」ライブである。
だがこの日は違った。
明確にレスポンスがあった。
単にノリがいいとかそういう話ではなく、フロア全体の理解度というか、“受け止める準備ができている空気”があるのである。
すごい。本当にすごい。
札幌の今のシーンの強さを感じた瞬間であった。
音に関しても、ByPassの鳴りがかなり良かった。
爆音なのに潰れず、しっかりまとまっていて、演奏していて気持ちがいい。
Konsui、VOMITの流れでプレッシャーは相当かかっていたが、その分ギアが上がり、結果としては全力を出し切れたと思う。
とにかく、楽しかった。これに尽きる。
4.OPTIMIST
仙台からOPTIMIST。
まずボーカル。存在感が異常に強い。
何もしていなくても「何かがある」と感じさせる佇まい。
これは技術ではなく、もう“在り方”の領域である。
スポークンも独特で、じわじわと耳に残る。
気づけば翌日の通勤BGMはOPTIMISTと提婆達多のスプリットであった。完全に持っていかれている。
そして困るのが視線。
ギターも見たい、ベースも見たい、ドラムも見たい、でもボーカルも見たい。
情報量が多すぎる。
目が足りないバンドである。
もう一度観たい、というか観ないと消化しきれない。
Detour Ahead
札幌のDetour Ahead。
一言で言う。
治安が悪い。最高である。
フロアは完全に地獄絵図。だが、それが正しい。
あの空間は、ああなるべくしてなっている。
サウンドはブルータルで暴力的。
ギター、サンプラー、ドラムが一体となって押し寄せてくる感じがたまらない。
でも、ただの暴力では終わらない。
ライブとして成立させるバランス感覚がしっかりある。
このあたりが本当にうまい。
個人的に好きなのが、普段とのギャップ。
あの落差、ずるい。好きにならざるを得ない。まじで。
見たことがない人はぜひ一度見てほしいバンドである。絶対忘れられない。
6.提婆達多
ラストは仙台の提婆達多。
思想をしっかりと言葉で叩きつけてくるスポークン。
これがもう最高である。刺さる。
楽器隊も非常に安定しており、特に上手ギターのステージングが印象的だった。
個性的な動きは簡単そうに見えて難しいが、それをしっかり成立させている。
音楽、言葉、動き。
すべての情報量が多く、正直脳が渋滞した。
メンバーが全国に散らばって活動しているとのことだが、ぜひ長く続けてほしいバンドである。
そして、早くもう一度観たい。
ライブ全体を通して
ライブ全体を通して強く感じたのは、札幌の“今”のシーンの熱である。
ただバンドが集まっているというだけではなく、それぞれの個性がしっかり突出していて、なおかつイベント全体としてのコンセプトが明確に成立していた。
あの夜は、出演者の並びも、流れも、空気も、全部ひっくるめて一つの作品のようだった。
その中に自分も入れてもらえたことが、本当にうれしかった。
自分は感覚として、今のシーンからすると2〜3世代前の人間だと思っている。
けれど今回のイベントには、そういう自分を温かく受け入れてくれる空気が確かにあった。
懐かしさとは違う、ちゃんと“今ここ”のものとして一緒に鳴らしてもらえた感覚があって、それがとてもありがたかった。
そして、これは完全に個人的な願望だが、今回出ていたバンドは全部苫小牧に呼びたい。
それくらい、自分の好みのど真ん中を撃ち抜かれた企画であった。
ここまでドンピシャなバンドが一晩に揃うこと、なかなかないと思う。
そして何より、企画者であるきくちわかなさん。
SNSのプロフィールには「おもろライブイベントを作りたい人」と書いてあったが、あの日の時点でもう完全に“作っている人”であった。
願望ではなく、実績である。
あれだけ濃くて、芯が通っていて、しかもちゃんと“おもろい”夜を作ってしまった以上、肩書きはもう更新した方がいい。これは間違いない。
最後に、昨日はみなさんありがとうございました。また会いましょう。
