「若いうちにできる経験はしておくべき」
という信条に従い、人生初のひげ脱毛へと足を運んだ。
36歳という年齢を一つの転換点とし、清潔感という無形の資産を構築するための、合理的かつ必然的な投資である。
医療脱毛を選択するにあたって、まず着手したのは医療脱毛の市場調査。
済んでいる苫小牧市内の病院では1回あたり14,000円という価格設定であったが、今回通院を決定した湘南美容クリニックは6回コースで16,800円という、驚異的なコストパフォーマンスを提示していた。
さらに親族の紹介キャンペーンを活用し、5,000円相当のポイント付与に成功。
実質的なコストを極限まで抑えることに成功した。
実際に足を運んで気づかされたのは、この「安さの構造」である。
コンシェルジュによる丁寧な注意事項の説明の最後に待っていたのは、高価なスキンケア用品の提案であった。
約4,000円というクリームの価格に一瞬の躊躇はあったが、初回ということもあり、安全策として購入を決断。
この「入り口を低くし、バックエンドで収益を補完する」というビジネスモデルの妙に、一人納得した次第である。
そんなことを思いつつ迎えた施術前の問診では、興味深い一幕があった。
担当医の故郷が、私の先祖のルーツでもある沖縄であったことだ。
私の苗字は沖縄特有の漢字表記であり、それが縁となって、問診の時間はほとんど沖縄談義に費やされた。
医療現場において、自身のアイデンティティに触れる温かな時間であったと言える。
また、予約時間から施術開始までは約1時間。
多くの患者を効率的にさばく病院側のシステム化された動きには、プロフェッショナルな機能美すら感じられた。
さて、本題のヒゲ脱毛の痛みについて記しておきたい。
私はあえて「麻酔なし」という選択をした。
笑気麻酔の誘惑はあったが、一度はこの身体的苦痛を無加工で体験しておくことが、探究者としての誠実さであると考えたからだ。
施術序盤、毛の薄い部位では「パチン」という軽い刺激のみで、私は
「あー、全然大丈夫ですねwww痛くないですwwwww」
と看護師に伝えてしまった。
しかし、これが後に「大人のプライド」という足枷となる。
地獄は、毛の密集する顎下へと移行した際に始まった。
パチンという音とともに、まるでロケット花火を至近距離で顔面に当てられたような鋭い痛みが奔る。
一度「大丈夫だ」と宣言してしまった以上、36歳の男性として弱音を吐くわけにはいかない。
本気の我慢大会が始まった。
10分間の施術を終えたとき、私の目には涙が浮かんでいた。
“涙目以上、半泣き未満”
これが、麻酔なしで挑んだ私の偽らざる検証結果である。
そんなわけで、今回の施術を通じて得た知見は大きい。
施術後のひげは現在このような状態である。

コンシェルジュの言によれば、完全な平滑状態(ツルツル)を目指すには10回以上の施術が必要だという。
私は一生涯ひげと決別することを決意しており、根絶まで継続する所存である。
また、今回は「痛み」というデータの収集を優先したが、次回は笑気麻酔を使用し、どの程度痛みが緩和されるのかを比較検証したい。
この「比較」こそが、経験をより深い知識へと昇華させると信じている。
まずは、コンシェルジュの指示通り、徹底した保湿に努める。
1ヶ月後の第二回施術に向け、肌という土壌を最良の状態に保つための努力を惜しまないつもりである。
