気づいたらサブ眼鏡が、もう「サブ」としてすら機能していなかった。
ネジも緩んでフレームもくたびれて、視界はいつも薄く曇りがち。
これはもう限界だ、と腹をくくってZoffへ向かったのだ。
ただ、週末のZoffが戦場だということをすっかり忘れていた。
人、人、人。
眼鏡を買いに行ったはずなのに、気分はもうイベント会場の物販列。
前日、金曜の夜にJINSに立ち寄ったときは拍子抜けするほど空いていた。
あの静けさが逆に心配になるレベル。
スタッフの対応も、これといって何がというわけではないのだけど、JINSは店舗全体がなんとなく居心地がよかった。
空気に余裕があったのだ。
対してZoffの方は、どうも終始せかせかしている。
店員さんの対応は丁寧なのだが、店そのものが「回転率」を追いかけてる感じが否めない。
ただ、Zoffで選んだデザインは文句なし。
自分の顔面と服装との相性を考え抜いた末の一本だ。確かに気に入っている。
でも、正直に言ってしまえば——次回はJINSに戻るかもしれない。
あの空気感が恋しい。
今回のZoff購入、たとえるなら「付き合うと決めたけど、元カノの優しさがふと恋しくなる」そんな感じである。
ともあれ、眼鏡は視界をクリアにし、気分も一新させる道具。
デザインで選ぶのか、空気で選ぶのか——次回の自分に期待したい。