エフェクターボードに新たな仲間が加わった。
その名も”TECH21 SANSAMP BASS DRIVER DI-LB”。

アメリカのTECH21から販売された日本限定モデルである。
人は「限定」という言葉に弱い。当然私も弱い。
季節限定スイーツ、数量限定モデル、そして地域限定エフェクター。
もう逃げられないのが人情というものである。
このLBモデル、SANSAMPの前期型と後期型の間にひっそりと発売された、いわば“橋渡し的な存在”のようだ。
前期型のとがったドンシャリ、後期型のまろやかさ、その中間地点に位置するサウンドキャラクターを持つ一台。
到着前に比較動画の音の波形を眺めながらにやける私は、完全に病気である。
特筆すべきは、名前の”LB”が象徴するように、Low B弦への対応力。
これは5弦、6弦ベーシストにとっては見逃せないポイントである。
特に6弦ともなれば、最低音から最高音までのレンジの広さが足元にも問われる。
そこに自然と寄り添うSANSAMP LB、できるやつである。
さて、そんな優秀なエフェクターを、私はありがたく中古で手に入れた。
状態も見た目も文句なし。
だが、ここでトラブル発生。
「…音が出ない。」
電池か?ケーブルか?
と思い、冷や汗を流しながら確認した結果、まさかのベース本体の配線断線。
犯人はお前か。
前日まで元気だったのに、こういうタイミングでやらかしてくるのがまたベースの可愛いところである。
すぐに配線を修理し、無事音が出たときには、SANSAMPが天使のように見えた。もう離さない。
音の印象としては、マルチのモデリングで何となく分かっていたつもりだったが、やはりオリジナルは別格である。
オンにした瞬間、音がぐっと前に出る。
そして“気持ち良い”。
とにかく気持ちいい。
プレイヤーをその気にさせる魔力があるのだ。
特にサンズらしさを象徴する“Presence”つまみ、これがまたクセモノである。
ちょっとだけ…と上げると、気づけば爆音でキラッキラ。
魔性のつまみである。
もちろん、気持ちよさに溺れてばかりもいられない。
ベースはアンサンブルの屋台骨。
ひとりで鳴らして悦に浸るのも大事だが、バンド全体の中での立ち位置を忘れてはならない。
エフェクターの”美味しいところ”を押さえつつ、他パートとの調和も大事にしていきたいところだ。
いずれは、ベース本体のプリアンプも交換したいと考えている。
音作りの旅に終わりはない。だからこそ面白いのだ。
というわけで、SANSAMP BASS DRIVER DI-LB、これからよろしく頼む。
私のボードでの居場所は、もうしっかりと用意してある。
あとは、音を鳴らして、鳴らして、また鳴らすだけである。