労働組合活動とソーシャルアクション。

土曜日・日曜日と組合用務で札幌へ。

土曜日の総会は私が一つの組織で委員長になるものだったので、自分の中で重要な総会だった。

議案の提案、新任委員長あいさつ、団結ガンバロー(人生初)と出番も多く、朝から緊張でお腹も下る。

とりあえずつつがなく会議を終了。

退任者の挨拶の中で、

“労働運動は冬の時代”

という言葉があったのがとても印象に残っている。

確かに、新自由主義的な考えが強くなっているように感じる現代、労働運動に関わろうという気持ちのある労働者は少なくなっているし、

明らかに不合理な提案をしてくる”目に見える相手”が少なくなったことで、組合の意義が見えにくくなったことは自分自身感じていた。

周りで労働運動に参加している人が少ない中、10年間組合運動をしていて見えてきたことがある。

それは労働運動はソーシャルアクションであるということだ。

ただ自分の職場の問題を解決しても、労働問題は解決しない。

特に介護保険制度等の制度によって報酬が決まる福祉職は、施設に入るお金もどんどん減っているし、職員の処遇についても職場単体でできることには限界がある。

労働問題を解決するためには、職場単体の問題を抽出して、それを社会に出す必要があるのだ。

そのための手法として、労働組合はうってつけの手法であると常々感じている。

利用者との関わりで感じたジレンマ、特に制度について感じるところを他の福祉職と議論して、それを政策提言に盛り込んでいく。

さらに国会議員に意見を伝え、国会に持ち込んでもらう。

これ以上ないソーシャルアクションなのではないかと、私は感じている。

あと、他の福祉労働者とそういった議論をできるのも仕事上モチベーションに繋がるし、新しい気付きも多い。

一つの組織で全国幹事をしていて、全国の社協職員と話をする機会を持ってみて、仕事へフィードバックできることの多さに毎回喜びを感じる。

そういう部分も、役職を持つことはメリットだなぁと常々思う。

先日、認知症の授業で高校生と話していると「痴ほう」という言葉を知らなかった。

時代は変わっていくのだなぁと思ったし、すぐに結果の見えない活動も数年、数十年すると社会の変容に繋がるということを感じることができた。

今すぐに解決できない課題にどうアプローチしていくか。

「もっと国はこうしてくれればいいのに。」

を声として挙げていくことは福祉職として、できる限りやっていきたい所である。

もう一点、退任者の挨拶で、

“組合活動は楽しんで”

という言葉も忘れないようにしたい。

限りある人生、限りある時間を使って運動する分、やっぱり楽しむことが一番。

根詰めてカチカチやりがちなので、気を付けなければ。

そんなこんなで25年間続く組織の委員長、楽しみながら精一杯やってみようと思う。

…気が付けば役職が自分でも覚えきれなくなってきてるから、今の役員を降りるまではしばらくは役を受けないつもりです。笑

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